俺の妹だってこんなに可愛いわけはない

不覚にもラスト近辺でウルッときてしまった自分がいます。


なんか無駄に自分に重ねてしまったんですよね。親父ににらまれただけで何も言えない自分。自分が大切にしているものを否定されているのにそれを上手に切り返せない自分。もどかしくて悔しい気持ちをどうにかしたくて、別に世界を救いたいわけでも誰かの命を救いたいわけでも男女の関係で世界の中心まで行っちゃったりしたいわけでもなくて、純粋に好きなものを好きでいたいだけなのに、自分は目の前の父親すら乗り越えられずにただ愕然と心に重しが乗っかってしまった状態で、一見うまくいっているようにへつらいながらも鬱々と日々を過ごすっていう。。。そんな気持ちを綺麗に思い出させてくれた末に兄のあの見事な啖呵ですよ。もうなんかきちゃいましたね。ズキュンと。


いやーそういう気持ちになるならもっと他にあるだろーあれとかこれとかーとかゴーストが囁いたりしてるんですがまぁ思ってしまったものはしょうがないです。好きです、こういう展開。


あとはまぁ散々言われているんでしょうが、オタクじゃない人にオタクってこういうもんだよって紹介するのに結構いけるんじゃないかなーと思ったり。主人公が全くオタク作品に興味がないですからね。理解できない気持ちの方に感情移入していかなきゃいけないんで。しかも主人公(兄)とヒロイン(妹)の関係性からラブ的なものをきっちり排除してあるので、あざとさが露骨じゃなくて読みやすいです。